黄金蔓の縁が濃く色づいてきて、これから秋だというのに未だ元気に玄関を飾ってくれている。今年植え替えたモンステラの古株は、大小10個ほどに分けられても分枝した先でさらにのびのびと葉を茂らせている。言葉を発しない植物や動物型をしたオブジェはそれでも日々に埋もれることもなく、まるで楽しそうに所定位置にいる。この、空間を、時に音楽がひたひたと漂い、時に街の喧騒が空気孔から漏れ入り、空気は微振動し続ける。昼間のカーテンをうまくくぐって愛猫が外を眺めるためにのったりと歩く。電磁音は副鼻腔から蝶形骨洞に常に響いているが、意識を向けなければ気にならない。まだ明るい午後、ベッドに横たわり、天井へ私の目をペタリと貼って見る。左目を。その視覚情報を右脳へ転送して持ち上げて落とす。私の目は様々な音を浴びながら一瞬毎に俯瞰し続けて、毎日を動作する。私には一つでいい。一回すれ違えば凡そのことを察する。一回言葉を交わせばほぼ未来が見える。一回交われば互いの隙間がわかる。でも二回目以降は不安定を甘受しがちになる。振り払って、突き抜けて仕舞えばいいのだろうけれど。