制作のおと

S120/oil on canvas/progress




問いかけても
問いかけても
気持ちいいように
気持ちいいようにと
返ってくる

その中で
虚栄心を無くし
自意識ではなく
パフォーマンスに気を取られるな
という
メッセージも来る

驚かされたのは
絵を描こうとするな
と、言われたとき

パフォーマンスを気にするな
意識を取られるな
気持ちいいように

気持ちいいか


まさか
象とは

体を整える
食べ物も
行動も
何もかも今は
静かに委ねている

私が気持ちいいと感ずるものは
様々なシーンごとに違っていると考えていたが
隣の色と
全体のリズム
下地の重なり合いで浮かび上がる印象など
自分で考えるほどさほど多くはないのかもしれない

抽象も具象も混じったコラージュのようなこの絵が
どう着地するのか知らないが
どの一瞬も気持ち良さを反映すること、に
始終しているのだから
結果もまたそうなるのだろうと、思う

私が注意するのは
まるで細胞のひとつひとつと会話するような反映の水面が
私の身体の中で澄んでいられ

気づくこと
観ること
在ることを
繰り返すこと

370万もの人が住むこの大都市にいて
森林の中を
ひとり佇むような孤独な制作の
木が風に軋んで
鳴く音

草の匂い