夏日が続いた先週に比べて今週は曇りがちな日々。
強い日差しに不慣れなこちら側にしてみれば、それは救いだ。キラキラとした世界と地を舐めるような世界との行き来をして一ヶ月。人の在りようを、直に、でも、多分どこかそらごとのように眺めている。
時折聞こえる汽笛にはっとして、この土地の観光という観光をまだ全くしていないと気づく。さほど気持ちが向かないのが理由だけれども、暑そうな夏が過ぎたら出かけてみようかなとも思う。ただ、人混みを歩くということは、いろいろな人の気を瞬間毎に浴びるわけだから、特にキラキラの世界にいる人達に紛れていると、もうそれだけで充分な気持ちにもなる。
地を舐めるような世界を歩いていても、それは同じだ。
土地の気質なのか、其れ故の人の気質なのか。
今この土地に住まい、この土地の人々に囲まれていると、今までとのギャップがあからさまになる。
照りつける太陽のようにそのギャップに照らされた自分を受け止めて咀嚼しているうちに、夏も終わりそう。
目を閉じて、涼しげな蜩の声を想う。
あの美しさが恋しい。