プルシャンの嘘つき




驚くぐらい肌寒いお盆が過ぎてなんだか夏も終わった感じがするなと思った午後ようやく小作品にとりかかる。あんまり気温が下がるから気分までひきこもっていたが、所詮気分だからと切り返し体を動かして気をバラバラに撒き散らしてちょっとせいせいして筆をとった。大切な友人の息子さんが小さくして亡くなったショックもある。生きものに約束された絶対のひとつなのに死を受け入れて生きることはそんなに容易くない。

10日ぶりぐらいかな絵筆を持つのは。描きかけのS-SMの上からプルシャンを引く。
プルシャンって、っぽくなるよな。嘘ついてるみたい。センチメンタルが濃くて染まりやすい。

この2年間で鉛のように重く膨張した風船のように浮腫んだ身体を、どうにかするために最近は野菜ばかりを食べている。手持ちのドレッシングレシピに飽きたので立ち読みして見つけたサラダの本がとても優秀で気に入った。料理をすると気持ちが切り替わるしそれを2週間食べていたらだんだん体が軽くなってきた。体って正直な生きもの。心も見習え。そういえば上旬に滞在させてもらった娘の家で娘の彼氏がラザニアを作ってくれたのが大変美味で感動した。5月の個展の時に頂いた美味しそうな赤ワインを彼等と一緒に飲もうと思って持って行っていたので、そのペアリングにリクエストした料理。娘と私はその日帰りが遅くなる予定だったから。彼氏は特段料理にこだわりがあるとかでは無いらしいので聞くところレシピ通りに作っただけだそうだが、それにしたって火の通し具合とかタイミングとかあるだろうに絶妙に旨い。焼き色も良いし。初対面に近い状態でのいきなりの3連泊。後から聞いたら「緊張した〜」って彼氏言ってたみたいだけど娘も彼もほっこり楽しく日々過ごしているのが充分に分かって、胸もいっぱい幸せのお裾分けをしてもらってご馳走様でしたって感じ。私は幸せな人の側にいるのが大好き。人の愚痴は聞きたくない。娘の姿から教わること沢山だなあ。