身近な人が明日はもういないと考えるだけで急に心が細くなる 目から涙が溢れる いずれ皆肉体は朽ちて無くなってしまうのに 他人の死へはわがままになって 自己愛が孤独と絡まって 強欲に求める死なないでと 吐息がまるで聞こえなくてもいい いなくならないでと、求める手を伸ばしても触れられなくてもいい そのくらい、人の生は互いに影響し合っていて、しかし唐突に無防備に忘れられる ブラインドタッチの手が言葉を打つように、無意識に繰り返される波の音が、苟且の平穏を揺るがし 苟且の不安も揺さぶる あなたは私ではない 私は誰でもない エスカレーターが土台をなくしても zooにいる動物たちには何の関わりもない 生きるために命を与えられ 死ぬために時間を与えられる 猶予なく執行される逆稚拙は戸惑いの何者でもない ただそこにヴィジョンが漂って 私はずっとそれを見ていた いつまでもそれだけの無明の住人を気取って。