Drawing「川を渡る三体の」/graphite/297×420mm/2018
もしかしたら既に習慣化しているかもしれない私のレム睡眠が今日も4時に目覚めさせた。夢はアンバーで中央の暗闇に少年か少女のような若年層の誰かが居て祭壇のような台へ面を向け、つまり私は彼の背後にいて見えない格好でその子は何かを差し出していた。夢の出入り口にもう少しの工夫があれば、たとえば匂いとか、そういったサインがあれば私のこのレム睡眠と協力して輪郭をナゾれるだろうに、今はまだ吸い込まれるようにして夢とうつつの境界線をまたぐしかない。夏が近いから愛猫は未だ掛けている羽毛布団には入らず、枕元にいる。十中八九尻を向けて寝ている。私は厭わず猫の腹の下へ手を滑り込ませ体温と感触を確かめ短く発声する。私と同じ長さで愛猫も発声しことさら今日は目覚めが良かったので直ぐさまベッドから起き上がると朝焼けの中をドライブした。
誰もいない早朝の道路には、冷んやりとした音がポツポツと転がっている。それをタイアで潰さないように静かに滑り、右目にまだ開けない朱い朝雲を見遣って思考はクリアだった。突き動かされる衝動で朝が駆動したのは梅雨にまだ至らない季節だからかもしれない。遠く感知する湿気の予感がそうさせたのかもしれない。時間は直線的ではないから突如として情報が伝達する。
空がしらじらと今日を始めようとしている。
車体右側後輪の擬音は、ショックアブソーバーからだろうか。