駆除された貂の親子が解体されていた。母親は、元検視官の男性の手によって。子は、小学6年生の男の子の手によって。他に二人いて、一人はネズミを、もう一人は解体とは違う作業をされていた。施設の方以外はボランティアで作業をしているという。解体する手許の丁寧さや親切な説明は、室内の、雰囲気も含め隅々まで明るかった。よくある市販のカッターナイフで、皮と肉を削いでいる。半月ほど冷凍保存されていた肉は、引き締まり、毛艶もよく見えた。自分の死も近いからなのか。いままでなら直視できない光景を違和感なく見つめている。貂の子の死顔は眠るように愛らしく、ミトンの手袋をして微笑んでいるように見えた。匂いは、愛猫と同じ類に感じた。